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Web 最先端、エキスパートたちの視点から #html5j 聴講メモ

去年9月の HTML5 Conference 2012 聴講メモを今更ながらアップ。その3。
HTML5 を最前線で追いかけているパネラー達によるパネルセッション。

当日聞きながらメモした内容なので、書起こしというよりは @koeri が印象に残った内容をメモした感じです。

公式資料として動画がアップされていますので、より詳しく見たい方は動画をどうぞ。

イベント全体概要とか、他セッションについては前記事を参照。
前記事 – HTML5 Conference 2012 #html5j が熱かった!!

パネルディスカッション 豪華5名のパネラー陣

  • 及川卓也さん (Google) (※くまのプーさん被ってる人)
  • 羽田野太巳さん (Futomi)
  • 小松健作さん (NTTコミュニケーションズ) (※カエル着ぐるみの人)
  • 白石俊平さん (シーエー・モバイル) (※html5j の ML で良く投稿してる人)
  • 新野淳一さん (publickey) (※司会)

今までの振り返り

これまで3年くらいを振り返って、ご自分の仕事、Web そのもの社会とのかかわりなどはどう変わってきましたか?

(白石)
2009年ころ、HTML5 くるかなと思ってて注目してたけど、こんなに大きくなるとは思わなかった。
HTML5 を推進しているのは Google くらいだった。

(羽田野)
4年前に html5.jp というサイトを立ち上げたのがきっかけ。
僕にとっては当時はマニアサイトだった。
ちょっと、好きな人が見てくれればいいやくらいの感じ。
しばらくしてから、W3C が HTML5 という名前で Web を新しく作るとなってからようやく認知されてきた。
そんな中、白石さん、小松さんに声かけてもらって、コミュニティに参加したりするように。

ここ最近の盛り上がりが急激。
この 3 年で変わってきたことは、Web 業界以外の人たちが HOT になってきている。
最初、HTML5 というのはオーディオ、ビデオ、キャンバスで絵が描けるというところが注目されてきた技術だったが、今はもっと違うメタ情報がとれるようになるとかで盛り上がってきている。

Web とは違うものと、Web が繋がれるようになってきている。

(及川)
Google Chrome を世の中に提供したっていうのが、会社としても自分としても大きい変化かな。
当時は Google がブラウザなんて作る必要があるのかという見方もあったが、
今みると、Chrome が起爆剤となって、Web 技術が大きく躍進したと思っている。
Microsoft さん、Mozila さん、とも良い感じで競合関係が築けている。

Web の成功

なぜ Web テクノロジーはこれほど成功しようとしているのでしょうか?
それぞれのご意見を教えてください。

(及川)
誰もが、カスタマイズしやすい。
開発者・ユーザーが自由にカスタマイズできるようなオープンな環境であることが大きいと思う。
そのなかでまたいいものが出てきたら、正式アップデートに取り込まれる、
というこのオープンなプロセスが、Web 技術の躍進にかかせない。

Google Chrome もずっと beta という言い方をしているけど、
永遠にアップデートしていくという意味の beta として使っている。

(羽田野)
ちょっと違った見方から意見を言いますと、
HTML5 がここまで盛り上がっている原因のひとつとしては、
良くも悪くも Apple のおかげ、もしくは Apple のせいだと思っています。

スマホのシェア半分をにぎる Apple の製品で Flash が採用されなかったことは
否応でも HTML5 が普及するきっかけになっている。

AppStore なんかもそうですけど、
ひとつの会社のプラットフォーム上で

  • 決済
  • つくる内容もある程度制限がある

というところで、制限がない環境を求めて HTML5 へ行くという流れもあると思う。
まだ、成功事例として取り上げられるものはあまりないですが。

(小松)
HTML5 がここまできたきっかけとして、意外性があると思います。
他の言語環境で描画環境が整いました、と言っても誰も見向きもしないのですが
ブラウザというもともと閲覧目的だったものに、そういう機能が実装されたということで
当時はとても面白がられて、火がついた。

その火が消えることなく、ずっと続いているというのが現状。

Apple Shock が原因というのももちろんあるのですが、
やはりもともと、Web が秘めていた可能性・ポテンシャルが凄かったということもあるのではと思う。

Google Map が出てきた時も、ネイティブアプリで面白いことはできていたが、
Web でできる、しかも既存技術で、というところが世の中に衝撃を与えた。

(羽田野)
スマートフォン、タッチパネルのコモディティ化、など HTML5 をとりまくハードの環境変化も大きいと思う。

これからどうなる?

この先 3年 で Web テクノロジーや、 Web による社会は、どう変わっていくとお考えですか?
どう変わって欲しいと思いますか?

(白石)
JavaScript がもっともっと色んなところで使われるようになっていくのでは。
Node.js をサポートしていないサーバーのほうが少なくなってくるのではないかと思う。

(小松)
テレビメーカーの人が HTML5 に凄い興味を持ってくれてたり、車産業なんかも活用しようという話がでてきる。
どんどん Web 技術を使おうという拡がりが続いていくのでは。
3年後も、今ではもう想像できないことが起こっているのではないのか、と思ったりします。

(白石)
3年後って HTML6 ってでてますかね。

(みんな)
HTML5.1 なんじゃない? (笑)

(羽田野)
5 という言い方がなくなっているのではないですか。
最近、NEXT という言い方も出てきてるじゃないですか。

(及川)
6 ていうのができても、ロゴがカッコ悪くなっちゃうんじゃ。(笑)

(羽田野)
3年後、あらゆるディスプレイが Web でできているのではないかと思う。
ディスプレイというのは、テレビ、車のカーナビ、サイネージなど。既に入っているところもある。
今では、PC, スマートフォン, タブレット、という世界で閉じているけど、今後3年で、他業界へも Web が進出していくのではと思う。

(及川)
フロントエンドとしての Web はどんどん広まる。
今までは Web 技術の業界標準を Web 業界の人たちで同じノリ・スピードで作ってきた。

今後広く世の中で使われる技術になってくると
他の業界の人たちが入ってきて標準仕様策定に関わってくるようになると思うが、
今までと同じ・それ以上のスピードでそれができるかどうか、
今までのドライブ感をなくさずに、いかに世の中で広く Web 技術を広めていくかが今後の課題だと思う。