[書評] LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
何人かの方に勧められたので、産休中に読むのにピッタリな内容だなーと思って読んでみました。
アメリカなんて日本に比べて仕事での女性の登用がとても進んでいるから、日本ほど性差でキャリアに問題が生じることは少ないのではと思っていたけど、女性の登用が遅れていると言われている日本と、本質的な問題はあまり変わらないんだなぁと思いました。
キャリア官僚 > Google > Facebook と凄いキャリアでバリバリ働いている優秀な女性である著者でさえ、不安に感じていることは一緒なんだなと。
- 妊娠・出産で仕事に対して感じてしまう引け目とか
- 育児しながらキャリアを築いていくことへの不安とか
- つい陥ってしまう女性ならではの特徴とか
- 無意識のうちに昇進意欲・積極性を抑えてしまう
- 完璧に準備が整っていないと手を挙げない
- 自分の実績を控えめに言う
- 会議でテーブルに着くのを遠慮し部屋の隅に行く
- 男性名と女性名では同じキャリアでも男性の方が好ましい同僚と見なされる(ハイディとハワード実験)
- 成功しているにも関わらず自分がペテン師に過ぎないのではと過小評価してしまう(インポスターシンドローム)
- 頑張っていれば誰かが見ててチャンス(冠)をくれるはずと期待して待っているだけ(ティアラシンドローム)
以上のようなことを、実例やデータを交えて率直に説明してくれています。
私自身は、妊娠・出産という局面に立ちはだかるまで、仕事上あまり性別差を感じたことはなかったけれど、そんな環境にいても、いざ妊娠&出産っていうことになると仕事で今後どうキャリアを築いていけばいいのか女って難しいなぁと悶々と考えてしまっていたので、そんな時に色々示唆を与えてくれる本でした。
LEAN IN 一歩踏み出せ!もっと自分を過大評価していいんだよ、無理な要求と思ってもダメ元で声に出してみると違った道が開けるよ、などと背中を押してくれるような感じです。
気になったとこ引用
P.61-62
(女性は)頭がいいとか成績がいいとか見られるのは損だと気づかされるような出来事に、小さい頃から遭遇してきた。女性の読者なら、頭がいいのはいろいろな意味で良いことだとしても、男の子にあまりもてなくなることに気づいているだろう。
P.63
女性の多くは本能的に、自分の実績を控えめに言うようになる。
P.74
誰からも好かれようとするから思い切ったことができないのだ、と言われた。何かを変えようとするとき、全員を満足させることはできない。全員を満足させようとしたら、たいしたことは何もできない。
P.76
キャリアは梯子ではなくジャングルジム
P.83
会社がハイペースで成長していれば、いまいる人間がこなせる以上の仕事がどんどん湧いてくる。反対に会社が伸び悩んだり横這いになっていたりしたら、仕事は減り、人間のほうが仕事より多くなる。そうなると社内の空気は淀み、ごますりや駆け引きが横行し、士気は低下する。
P.89
「良い仕事をしていればきっと誰かが気づいて冠をかぶせてくれると期待する」傾向を「ティアラ・シンドローム」と命名
P.110
多くの人が真実を口にすることをためらう。それは自分を守るためだったり、他人を傷つけないためだったりするのだが、こうした遠慮や用心がさまざまな問題を引き起こし、長引かせている。
P.112
唯一絶対の真実などまず存在しない
P.113
耳の痛い真実を伝えるときほど、長たらしい但し書きは不要
P.129
真のリーダーシップは個性や人格に由来する、リーダーは完璧をめざすよりも自分らしくあるべき
P.179
完璧をめざすより、まず終わらせろ
P.216
たとえ見込みが低くても、要求することを恐れてはいけない。
P.229
自分の自慢はできなくても、人の自慢なら上手にできるという女性の特徴
以上、気になったとこ引用終わり。
完璧をめざすより、まず終わらせろ
これはほんと耳が痛い。
Facebookの社内に貼ってある啓発ポスターの一文だそうです。